美容鍼って肌荒れにもいいの?
2019.03.14

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ストレスや体調不良、感染症対策によるマスク着用時間の増加など、お肌が荒れる要因はたくさんあります。肌が荒れると化粧ノリが悪くなり、気分もふさぎがちになってしまいますよね。ここではそんな肌荒れのメカニズムと原因、そして肌荒れに効果的な美容鍼について解説します。
美容鍼はどんなことをするの?
体の内側・外側の両面からアプローチする「美容鍼」。
美容鍼のベースである「鍼灸」とは、古代中国より発展してきた東洋医学の一つです。全身に存在するツボに鍼を打つことで血液の流れをよくし、体が持っている本来の力を引き出すことができるため、昔からさまざまな病気や怪我の治療に使われてきました。
美容鍼は、東洋医学の鍼灸治療を美容の分野に応用したものです。鍼灸治療では、体にあるツボに鍼やお灸で刺激を与えることで、さまざまな不調を整えることができます。東洋医学では、ツボの刺激は血液の流れを介して、その先の組織や臓器に働きかけると考えられています。これは美容鍼においても同様で、顔や頭のツボを中心に鍼を行い、血行を良くすることで、さまざまな肌トラブルの解決へと導きます。
美容鍼はお肌にいいの?
東洋医学では、顔のどこに肌トラブルが現れるかで、身体の健康状態を判断する事ができると考えられています。
たとえば、内臓の状態を顔の位置で表すと、肝の症状は顔の左に、心の症状は顔のおでこに、胃腸の症状は顔の鼻の周りに、肺の症状は顔の右に位置している、という風に判断材料にしています。
美容鍼でも身体と顔の状態には密接な関係があると考えています。まず、お肌のトラブルの原因と考えられる内蔵の調子を整えてから施術を行うことで、内面と外面からお肌の悩みを改善させる方向に導きます。
肌荒れを招く原因は?
肌は複数の層が重なってできており、最も表面にある層を表皮と言います。表皮は異物が体内に侵入しないよう、そして体内の水分が外に逃げないよう、バリアの機能を果たしています。
この表皮では、常に新しい細胞が肌の内部から生まれています。古くなった細胞は徐々に表面へ押し上げられてゆき、最終的に垢として剥がれ落ちていくのです。この一連の流れをターンオーバーといい、28日間の周期で行われるのが理想的といわれています。
しかし、何らかの原因でターンオーバーの周期が乱れると、表皮は十分なバリア機能を維持することができなくなり、そこに乾燥や皮脂などの要因が加わると、肌はダメージを受けて炎症を起こしてしまうのです。
ターンオーバーの周期が乱れる原因をいくつか解説します。
血行不良
全身を流れる血液は各組織に酸素や栄養素を届け、二酸化炭素と老廃物を受け取るという重要な役割を持っています。血液の流れが滞ると、各組織は充分な栄養を受け取ることができなくなり、本来引き渡すはずの老廃物を蓄積し、さまざまな体調不良を引き起こす原因になります。
これは肌も同様で、肌の細胞は運ばれてきた酸素や栄養素をもとに新陳代謝を続けています。しかし血行不良によって新陳代謝に必要な物質が届かなくなると、肌の細胞は手元にある酸素や栄養素の消費をセーブしようとするため、新陳代謝は低下し、ターンオーバーが乱れる原因となってしまうのです。
乾燥
肌の乾燥を防いでいるのは、お肌の表面にある「角質層」という部分です。角質層は、レンガのような角質細胞が積み重なっていて、その隙間を角質間資質がセメントのようにぴったりと埋め尽くすことによって、肌の内部から水分が逃げていくのを防いでいます。また、外部から異物の侵入を防ぐ、バリアの役割も担っています。
この角質層のバリア機能が低下すると、肌の内側から水分が逃げていきやすく、乾燥の原因となります。しかも、異物の進入も受けやすく、花粉やほこりなどのちょっとした刺激に過敏に反応し、肌荒れやかゆみなどを引き起こします。
また、感染症対策などでマスクを長時間着用することも、肌の乾燥の原因となります。
「マスクで覆われた空気」と「外の空気」との間には、温度差が生じています。マスクを着用している時の肌は呼気による水分で覆われていますが、外すと水分が急激になくなり、肌は一気に乾燥状態となってしまいます。
このように、日々マスクの脱着を繰り返すことで乾燥状態にさらされた肌は、正常なバリア機能と保湿力を失い、肌荒れを起こしてしまうのです。
ストレス
疲れがたまると肌が荒れる方もいるのではないでしょうか。たとえば「大人ニキビ」ともいわれる吹き出物は、ストレスが原因で出ることもあります。これはストレスによって皮脂が過剰に分泌され、毛穴がつまることが原因です。精神的にストレスを感じている場合は皮脂が増加しやすくなり、ストレスがたまることで肌荒れが起きる可能性が高くなります。
自律神経の乱れ
自律神経とは自分の意思に関係なく、生きていく上で必要な心臓などの臓器の活動を支えている神経です。自律神経は体が活発になるときにはたらく交感神経と、リラックスしているときにはたらく副交感神経から構成されています。どちらかが活発になるともう一方はお休みするようになっています。この2つの神経がバランスよくはたらくことで、私たちは健康な生活を送ることができるのです。
しかし、何らかの要因で自律神経のバランスが崩れると、血行不良となったり、不眠・イライラなどのストレスを引き起こしたりして、肌荒れの発生につながってしまうことも。自律神経が乱れる原因としては、心身のストレスや不規則な生活習慣などが挙げられます。また、季節の変わり目によく体調を崩したり肌が荒れたりする方は、寒暖の差が自律神経の乱れを引き起こしている可能性があります。
美容鍼で肌荒れを解消できる??
美容鍼では顔や頭部のツボを中心に鍼をすることで顔周りの血行をよくし、ハリのあるお肌へと導きます。ここでは美容鍼のもたらす作用について解説します。
血行を促進
顔に鍼をする美容鍼では、極細の鍼を使用しているため、施術中、いつ鍼が体に入ったのかわからなかったという方が多く、痛みもほとんどありません。しかし、鍼によって刺激を受けた体は、体内に異物が入ってきたと認識し、異物を排除し、傷を修復しようとして血流を促進させます。血液の中には患部の修復に必要な酸素(赤血球)や免疫細胞(白血球)などが含まれているので、血行をよくしてこれらの物質を効率よく運搬しようと働きかけるのです。
美容鍼をすると、血流がよくなることで肌のすみずみまで酸素や栄養素が行き渡り、肌本来の調子を整えることができます。施術直後から体がポカポカと温まるのを感じることができるほどの効果があり、血行不良や冷えやすい体質の対策には非常に効果があると言えます。
新陳代謝を活性化
鍼による刺激を受けた肌は、自己治癒力によって新しい細胞を生み出そうとする働きが強くなります。新しく生まれた細胞に十分な酸素と栄養を届けることで、新陳代謝がより活性化し、肌のリズムが整えられ、肌本来のバリア機能も高まっていきます。
また、鍼には免疫力を高める作用もあるので、肌を紫外線などのダメージから守ったり、炎症が起きてもひどくならないように働きかけたりするなど、肌荒れを予防する素肌作りにも力を発揮します。
自律神経の乱れを整える
自律神経は交感神経と副交感神経のバランスが均等に保たれていることが大切ですが、ストレスなどが原因で交感神経が過剰にはたらくようになると、イライラや不眠、動機など、さまざまな体調不良を引き起こします。
鍼には副交感神経の働きを活発にする効果があるため、自律神経のバランスを整え、肌荒れをはじめとするさまざまな体調不良の解消へと導きます。また、リラックスした状態にしてくれるので、イライラを鎮め、ストレスを緩和してくれる効果も期待できます。
最後に
肌荒れがあると気分が落ち込んでしまい、マスクや化粧などで隠そうとして、かえって悪化してしまうこともあります。自宅のスキンケアで改善されない場合は、ぜひプロの手による美容鍼を試してみてはいかがでしょうか。肌本来のバリア機能を高め、健やかな素肌を目指すことで肌の悩みの解決につながることでしょう。
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