つらい生理痛を美容鍼で改善できる?生理痛と上手に付き合う方法
2019.03.28

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ほぼすべての女性にとって平均40年も続く生理(月経)。約1週間の生理の間だけでもうっとおしいのに、それ以上に多くの女性を悩ませるのが生理痛。ひどい場合は寝込んでしまうほどの辛さを経験している人もいます。女性のお肌や健康にアプローチする美容鍼で生理痛の辛さも改善できないでしょうか。
アンケート「月経で困っていることはありますか?」
2022年5月にハリッチが実施したアンケート結果(複数回答)によると、回答してくださった方の実に67.7%もの方が何らかの「痛み」やホルモンバランスの乱れによる「イライラ」などを経験しておられることがわかります。
およそ毎月、ひと月のうちに5日~7日も続く月経(生理)。そのたびに体の不調を抱えながら、それでもいつもと同じように仕事に行き、家事をこなし、子供たちの世話をしなければいけません。「ああ、また来る」と憂鬱になるのも無理はありませんね。
美容鍼で生理痛を改善できる?
結論から言えば「個人差が大きい」ということです。生理痛(月経痛)の改善に美容鍼が効くかどうか、という研究に対し、80%の人に明らかな改善が見られたという報告があります。しかし、いまのところ「すべての人に効く」とまではいえない、という結果が公表されています。
(1998年「月経困難症に対する鍼灸治療効果」日本鍼灸学会)
とはいえ、美容鍼は女性特有の問題でもある「冷え」や「自律神経の乱れ」からくる胃腸の働きの乱れにアプローチして改善することができます。生理痛を完全になくすことはできないまでも、不快な症状を緩和し、生理中も女性の生活の質をより高めることが期待できます。
生理痛をやわらげるツボ
生理痛の改善と関係のあるツボをご紹介しましょう。ツボを指で指圧するだけでもかなり体が楽になることもあります。ハリッチでは生理の間も美容鍼を受けていただけますし、むしろ生理痛に不随する不調軽減におすすめしております。
生理痛の辛さは人それぞれです。子宮内膜が剥がれ落ちる時の独特の痛みだけでなく、ホルモンバランスの崩れから起こる胃腸の不調、頭痛などがあり、それもまた強さは人によってさまざまです。
ハリッチではお客様のお話をよく伺ったうえで、おひとりおひとりの辛さを軽減できるツボへの施術を受けていただきます。生理痛で毎月辛い思いをしておられるお客様には、ぜひ一度お試しいただきたいと思います。
天枢(てんすう)
おへその両脇指3本ずれたところにあります。生理痛と同時に下痢をする人も多く、お腹の痛みとダブルで辛い思いをすることがあります。そんな時は天枢(てんすう)というツボがよく効きます。
このツボは胃腸の働きを整えてくれます。胃腸の働きと美肌には深い関係があるので、生理中の肌荒れにお悩みの方にもおすすめしたいツボです。
還元(かんげん)
人差し指をおへそに横にあてた時、ちょうど小指が当たる場所にあります。血流を促すツボで、生理中のつらい「冷え」を解消することができます。生理痛がひどい時はここにカイロをあてて温めると楽になります。
足三里
膝から下に向かって指3本分のすねの外側にあります。天枢と同じく、胃腸の働きを整えるツボです。特に生理痛にともなって胃が痛くなったり、口の端が切れたりするときにはおすすめのツボです。指で押すと「イタ気持ちいい」ですよ。
三陰交
くるぶしの内側の、出っ張った骨の指2本分上にあります。「肝」「腎」「脾」の3つの経絡(気の通り道)が交わる場所で、女性のさまざまな悩み解消に関わる重要なツボです。生理痛はもとより、「冷え」や「むくみ」などの改善が期待できます。
血海(けっかい)
膝の皿の内側の際から指3本分、上にあります。その名前のとおり、「血」に関わるツボです。昔は生理を「血の道」と言ったように「血のめぐり」と大いに関係のある生理痛。
このツボを刺激することで「血の巡り」を促し、生理中のつらい「冷え」や「痛み」を緩和することが期待できます。
地機(ちき)
くるぶしの内側を膝に向かってなぞるように上がっていくと、骨の太くなっているところに当たります。そこから指4本分下をグッと押してみてください。痛いでしょう?そこが「地機」です。
このツボはおもに生殖に関わるツボであり、女性ホルモンのバランスを整えることを期待できます。生理中だけでなく、生理前後のホルモンバランスの乱れによる頭痛、また生理不順などにはこのツボへの鍼がおすすめです。
太衝(たいしょう)
足先の親指と人差し指の間の筋の間をなぞっていき、二つの線が交わるところ。自律神経の乱れを改善します。生理中はホルモンバランスの乱れから自律神経が過敏になり、イライラしたり、頭痛がしたりします。他にも腹痛や腰痛の改善も期待できます。
合谷(ごうこく)
手の背側、親指と人差し指のあいだ、骨がちょうど交わるところです。体の不調全般に効く万能のツボです。イライラや不眠、頭痛や胃の痛みなどの改善も期待できます。
場所を気にせず、仕事をしながらでも押せるので覚えておきたいツボです。赤ちゃんもここを指圧してあげると、気持ちよくなってすぐに寝てしまいます。
生理痛がひどい時に考えられる原因
そもそも「生理痛」はなぜ起きるのでしょうか。女性の体は妊娠が可能な年齢の間はずっと、毎月排卵が起きます。そして受精した時のために子宮は赤ちゃんを迎えるために子宮の壁を厚くして、いわば「布団」を準備するのです。
ところが、受精が起きなかった場合には子宮は不要になった「布団」を壁からはがして体外に排出します。その際に出血が起きます。これが「月経」です。月経と同時にホルモンバランスが急激に変化します。
子宮内膜という「布団」がはがれる時の痛みが、「月経痛」または「生理痛」と呼ばれるものです。その他にも急激なホルモンバランスの変化に伴ってイライラしたり、頭痛が起きたりします。生理痛の重さは人によって異なります。
生理は女性には毎月必ずあるものだから仕方ない、と薬を飲みながら我慢している人もいます。薬を飲んで収まるならまだしも、寝込んでしまうほどひどい生理痛に悩んでいる方もいるようです。
しかし、本当に「仕方ないこと」なのでしょうか?いいえ、生理痛を侮ってはいけません。大きな病気が隠れていることがあります。生理痛があまりにひどいなら、一度婦人科へ行って相談してみることをおすすめします。
では生理痛が重い場合、どんな可能性があるでしょうか。
子宮内膜症などの病気
赤ちゃんを育てるために女性の体は毎月子宮の内膜(ないまく)が厚くなります。ところが、まれに子宮以外の場所で内膜が増殖することがあります。これを子宮内膜症といいます。子宮以外のところで増殖した内膜は剥がれ落ちる時に異常な痛みと出血を引き起こします。
また、子宮に筋腫(きんしゅ)という「できもの」ができることがあります。これ自体は良性のことが多いものの、次第に大きくなっていき子宮口をふさぐほどになる場合があります。子宮から不要になった内膜が排出されにくいため、子宮が炎症をおこして激しい痛みをひき起こすのです。
あまりにも生理の時に出血が多かったり、激しい痛みで起き上がることも難しいという方は、できるだけ早く婦人科で適切な治療を受けることをおすすめします。
子宮の収縮を促す物質のため
月経は不要になった子宮内膜を子宮の壁からはがして体外に排出しようとする生理現象です。子宮内膜を子宮の壁からはがして排出しようとするとき、子宮を収縮させるため「プロスタグランジン」という物質が放出されます。
この物質は胃の粘膜を守る大切な物質なのですが、これが大量に放出されると体には「痛み」として感知されます。そのため、生理中は頭痛や、腹痛となってあらわれます。
また、子宮そのものが筋肉の塊であり、プロスタグランジンの刺激によって剥がれ落ちた子宮内膜を排出するときに強く収縮します。そのためギューッと絞られるような、陣痛によく似た不快な痛みが起こります。
冷えやストレス
女性にとって冷えは大敵です。東洋医学において、痛みの出るところは血液の流れが悪くなっているとされています。生理痛の痛みも同じです。生理痛がひどい時、経血は粘り気が強くなります。
生理痛がピークの時の経血にはレバーのような血の塊が混ざっていることがあります。(注:月経のはじまりからずっと経血に大量のレバー状の塊が混ざっているときは子宮筋腫などの病気が疑われます。その時は速やかに婦人科へかかってください)
体が冷えると、さらに血液の流れが悪くなり、経血は体外に排出されにくくなります。そのため、体の中にとどまった経血が刺激になり、より強く痛みを引き起こします。
子宮が未成熟であること
生理はおおよそ10歳~12歳頃に始まります。けれども10代のうちはまだ子宮が未熟なため、子宮口が狭く、うまく経血が排出されません。そのため経血が体内に長くとどまることによって炎症を起こすことがあります。
成長に伴って次第に生理痛は軽くなっていきますが、生活に支障をきたすほどの強い痛みが続くようなら、婦人科に相談するようにしてください。
生理痛(月経困難症)のその他の症状
生理痛とひとことで言いいますが、これには月経困難症というきちんとした病名があり、「お腹が痛い」という直接的なものはもちろん、いろいろな症状が伴うことがあります。
腰痛や頭痛、まるでつわりの時のような吐き気を感じる人もいます。イライラしたり、なにが悲しいのかわからないけど涙が止まらないという人も。ホルモンのせいだとはわかっていても、自分ではどうしようもない症状に苦しんでいる方は多いようです。
生理痛の対処方法
月経は生理現象であり、子供を産み育てるという女性の大切な役割の一部をなすものです。完全になくすことはできません。しかし、痛みのプロセスはほぼ解明されているため、いろいろな方法で生理痛を改善することはできます。自分に合った方法を見つけられるといいですね。
鎮痛剤の服用
もっとも簡単で即効性があるのは鎮痛剤を服用することです。一般的な鎮痛剤として「ロキソニン」や「イブプロフェン」「アセトアミノフェン」などがあります。
ロキソニンは関節痛や腰痛、筋肉痛などにはよく効きますが頭痛、生理痛にはイブプロフェンやアセトアミノフェンの方がおすすめです。痛み物質であるプロスタグランジンを抑制する効果が高いこと、また10代の方にも比較的安全に使用できることなどが理由としてあげられます。
温める
冷えると血流が悪くなり、経血が排出されにくいために子宮や腸にまで炎症を起こします。生理中にお腹を下す、という人がかなりいるのはそのせいです。生理中はお風呂に浸かりにくいかもしれませんが、できるだけ湯船につかって体をあたため、血流をよくするようにしましょう。お風呂に浸かれないときは下腹にカイロを貼ることでもかなり楽になります。
また冷たい飲み物は避け、できるだけ温かいものを取るようにしましょう。ショウガやシナモンなどのスパイスも体を温める効果があります。辛いもの、お酒などの刺激物は避けましょう。
生理中は体が大きなダメージを受けている時期です。温めてよく睡眠をとり、いたわってあげるようにしてください。
美容鍼
生理中でも鍼の施術を受けることができます。むしろ、東洋医学に基づいた鍼灸は体の血の巡りを促し、生理痛によっておこるさまざまな不調の改善を図ることができます。
美容鍼によってホルモンバランスの乱れによる自律神経の失調を整え、ストレスを緩和してくれます。女性特有の悩みである「生理痛」にも美容鍼が役に立つのです。
まとめ
女性特有の悩みである「生理痛」。あまりにひどい痛みが伴うときには何らかの婦人科系の疾病が隠れている場合もあり、自己判断は禁物です。そのような場合は迷わずに婦人科へかかりましょう。しかしそうでない場合、美容鍼も女性のQOLを高めることができます。
単に「美容」のためだけではなく、女性の生活の質の向上のためにもぜひ積極的に取り入れてください。
残念ながら美容鍼で生理をなくすことも生理痛をなくすこともできません。しかし、鍼とマッサージによって得られるリラックス効果、またツボを刺激することで血流を促し、下半身をあたためることによって痛みをやわらげることができます。
「痛み」を和らげることができれば生理期間中でも活動的でいられます。ぜひ上手に美容鍼を取り入れて、憂鬱な期間を乗り切ってください!
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