ヘルニアの痛みを和らげる鍼灸治療。保険は使える?
2019.04.02

Contents
病気の進行具合によっては、ひどい痛みに悩まされることもあるヘルニア。もしもヘルニアだと診断されたらどうしたらいいのでしょう?ここではヘルニアを発症させる原因とその治療法について解説します。痛みを和らげてくれる鍼灸治療についてもご紹介しています。
ヘルニアとは
人の背骨(脊椎)は24個の小さな骨で構成されていて、骨と骨同士の間にはクッションの役割を果たす「椎間板」という物質があります。椎間板の中心には「髄核」というゲル状の組織がありますが、これが何らかの原因で外に飛び出してしまった状態が「椎間板ヘルニア」です。脊椎は首からお尻まで続いており、首の骨(頸椎)の間に存在する椎間板で起こるヘルニアは「頸椎椎間板ヘルニア」、腰の骨(腰椎)の椎間板で起こるヘルニアは「腰椎椎間板ヘルニア」と呼ばれます。
椎間板ヘルニアについて
原因
椎間板ヘルニアの原因としては、加齢や重いものを持ったときの負荷などが考えられています。頸椎の間にある椎間板は最も早く老化が進む組織の1つで、加齢により髄核の周囲の膜が破れて髄核が飛び出してしまうケースが多いです。一方、腰椎椎間板ヘルニアは日々の生活の中で腰への負担が積み重なって発症します。長時間の車の運転や中腰での作業、重いものを持つことなどが原因として挙げられます。
症状
椎間板ヘルニアの症状は患部の痛みやしびれです。脊椎の周囲には多くの神経があり、飛び出した髄核がその神経を刺激するために激痛が走ります。症状が強いと痛みで眠れないというケースも。このほかにも、患部が動かせなくなる運動麻痺や感覚が鈍くなる感覚麻痺などの症状も見られることがあります。
ヘルニアの治療法
手術は必要?
椎間板ヘルニアでは必ずしも手術が必要というわけではありません。激烈な痛みや麻痺がある重症の場合や、患者が早期回復を希望して医師が同意した場合などをのぞき、まずは保存療法が適用されるのが一般的です。保存療法では、内服薬や注射、コルセットによる固定、リハビリなどが行われます。
悪化させないために注意すること
まずは負担のもととなっている動作を減らすように意識しましょう。また、腰をひねる、転倒するといったちょっとした動作がきっかけで悪化してしまうことがあるので注意が必要です。
また、椎間板ヘルニアにかかるとリハビリが必須となりますが、これも無理しすぎないことが肝心です。発症から間もない急性期は痛みもあるため安静に過ごさなければなりませんが、痛みが落ち着いてからはしっかりとリハビリをした方が回復は早いようです。ただし、リハビリを行う時期を見誤ると悪化の原因となりますので、リハビリを行う際は必ず医師や理学療法士と相談するようにしましょう。
痛みがひどい場合は鍼灸もおすすめ
鍼灸治療とは
東洋医学の一つである鍼灸は、全身に存在するツボを鍼や灸で刺激することにより、体調不良を解消してくれる治療法です。体の乱れを整え、本来あるべき正しい状態へと導いてくれるもので、様々な症状に対して効果があると言われており、その効果は近年WHO(世界保健機関)の認めるところとなりました。免疫力を高め、血流をよくし、内臓の働きや自律神経の乱れを整えてくれる効果もあります。
鍼灸治療で見込める効果
椎間板ヘルニアの痛みがひどい場合は鍼灸治療もおすすめです。鍼灸治療では患部に直接鍼やお灸で刺激することで、痛みやしびれを和らげることができます。一般的な首の痛みや腰痛ではマッサージをする方も多いと思いますが、椎間板ヘルニアでは飛び出した髄核が神経を刺激しているので、その状態で患部を上からマッサージをするとかえって痛みが走ります。一方で、鍼灸治療では深部に働きかけるので痛みを和らげることができるのです。
健康保険は使える?
椎間板ヘルニアで鍼灸治療を受ける場合は、残念ながら健康保険の適応外となります。もし鍼灸治療を受ける場合は全額自己負担となりますので注意しましょう。保険適応外ではありますが、長引く痛みやしびれにお悩みの方にはおすすめの治療法ですので、興味のある方はかかりつけの整形外科医にご相談の上、ぜひ鍼灸院を受診してみてくださいね。
ヘルニアに効果的なツボ
椎間板ヘルニアにおいて、患部を直接マッサージするのは痛みを助長するので避けるべきですが、椎間板ヘルニアをはじめとする急性の腰痛に効くツボは手足に多く存在しています。ツボ押しも合わせて行うことで回復が早くなりますので、ぜひ取り入れてみてください。
腰腿点(ようたいてん)
手の甲の人差し指と中指、薬指と小指の骨の分かれ目にあるくぼみです。円を描くように押したり、2点の腰腿点に反対の手の親指と人差し指をあて手の甲を挟むように押したりすると効果的。
中封(ちゅうほう)
内くるぶしと足首の前面にある太い腱のちょうど真ん中に位置するツボです。グリグリと塊をつぶすようにして刺激します。
最後に
椎間板ヘルニアの治療法から効果的なツボまで解説しました。椎間板ヘルニアの痛みを和らげるには鍼灸治療も効果的です。長引く痛みにお悩みの方は、ぜひ一度鍼灸師に相談してみてください。
<<< ブログTOPに戻る