美容鍼でツボを押し効果的に治療!東洋医学の基本も紹介
2019.04.08

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不眠や肩こり、ストレス、慢性疲労、アレルギーなど、現代の人が抱えるさまざまな悩み。西洋医学で対処が難しい場合は、東洋医学で試していてうまくいくケースもあります。そして東洋医学の治療法の一つである鍼灸が、気になる悩みを和らげてくれるケースも。ここでは、鍼灸のベースになっている東洋医学における考え方についてわかりやすく解説します。
私たちの身近に存在する東洋医学
東洋医学というとあまり馴染みがないと感じる方も多いかもしれません。しかし、実は私たちは日常生活において、東洋医学の考え方に触れる場面はよくあるのです。例えば薬膳料理を食べたり、肩こりに効くツボを押したりすることも、すべて東洋医学の考えがベースになっています。
東洋医学が活躍するのは西洋医学の苦手な分野
現代の医学は西洋医学が主流です。西洋医学は日々ものすごいスピードで進化をしており、大量のデータをもとに適切な治療法を導き出し、最新の技術で持って患部にアプローチしていきます。
西洋医学では人体を複数のパーツの集合体と考えており、体のどこかの部位に不調があるときは、脳や心臓、胃や腸などそれぞれのパーツを検査し、一般的な数値とのズレを見て、体調の良し悪しを判断します。そして不調なパーツがあれば、手術や薬などで治療を行うのです。
しかし、検査などで悪い部分が見つからないと、どのパーツを治療するべきかわからないため、患者本人が症状を訴えていても治療方針を決められない場合もあります。例えば自律神経の乱れによる不調は、レントゲンやMRIで異常を見つけることができません。パーツではなく「人体はすべての器官を含めて一つの構成体」という考え方は、西洋医学にとっては苦手ともいえます。
そのため西洋医学では根本的な治療ができず、眠れない場合は睡眠薬を、体が痛む場合は痛み止めを処方するという、対症療法的な治療になってしまいがちです。
東洋医学との併用で健康な体を目指す!
一方の東洋医学では、患者の体調を把握するとき、一般的なデータとの比較をするのではなく、その患者に現れている症状や本人の話を聞き、体全体の状態を把握したうえで治療方針を決めます。そのため、西洋医学で原因がはっきりしないことや検査結果で悪いところが見つからないような場合は、東洋医学の得意分野となるのです。
東洋医学で自然治癒力を高めた結果、症状改善に導く結果になることも多々あります。西洋医学にも東洋医学にも、それぞれ得意分野があるので、どちらも活用しつつ健康な体を目指しましょう。
洋医学の基本を理解しよう
気・血・水
東洋医学で重要だと考えられているのが、人間の生命活動に必要な3つの要素「気」「血(けつ)」「水(すい)」のバランスです。どれか一つでも欠けたり、働きが鈍くなったりすると、全体のバランスが崩れてしまい、体調の悪化につながると考えられています。
「気」は全ての元になる要素で、生命の活動を支えているものです。「血」と「水」も「気」から生まれており、「気」を働かせるために必要な栄養は血液、つまり「血」が運んでいます。
血液以外の体内の水分を意味する「水」は、「気」や「血」が体の中をスムーズにめぐれるように体を潤す役割をしています。こうして3つの要素が相互に影響し合って、バランスを保って健康的な体を支えているのです。
経絡とツボ
気や血は、「経絡」という道を通って全身をめぐっています。この経絡は、内臓、筋肉、皮膚などをつなぐ役割も担っているため、経絡の中を流れてきた気や血が体内の各組織に届けられるという仕組みになっているのです。
健康な体では気や血が経絡の中をスムーズに移動していますが、経絡の流れが詰まってしまうと臓器などに気や血が行き届かなくなり、体調不良の原因となります。この時、治療で使われるのが「ツボ」です。
ツボ治療について
ツボとは何か
体全体361個あるといわれているツボ。大まかな場所は決まっていますが、個人差があります。また同じ人でもその日の体調によってツボの位置が微妙に変化するので、絶対にこの場所という定位置は決まってはいません。自分で押してみて気持ちよく感じる場所、響くような痛みを感じる場所を優先させることが大事です。
ツボの刺激のしかた
「陰交」や「中極」など身体の中心に位置しているツボを除いて、身体の左右対称に存在する場合は、バランスを取るために両方のツボを刺激することが大切です。また、ツボは強く押せばよいというものではありません。イタ気持ち良いと感じる強さで押しましょう。
臓器は体の奥深い場所にあるため、直接治療を施すことはできません。そのため東洋医学では、臓器とつながっている経絡を刺激します。体内に張り巡らされた経絡は、場所によっては皮膚のすぐ下を走っている場所もあり、皮膚の上から押せばその刺激が経絡に伝わり、経絡の先の臓器にも伝わります。
その中でもいわゆる「ツボ」と呼ばれている、刺激が伝わりやすい箇所を刺激すると、その刺激が経絡に伝わり、気や血の流れが一気によくなります。そして滞っていた気や血が臓器に行き届くようになり、体調不良が改善されるのです。
ハリッチ独自アンケートをチェック
HARICCHでは2022年4月に200名を対象にした独自アンケート調査を実施しました。「顔のツボを活用した施術を試したことはありますか」とお聞きしたところ、以下のような結果となりました。
ある 22% ない78%
実際にツボを活用した施術経験のある方は約4分の1ほどいらっしゃることがわかります。次に、美容面で効果が期待できるツボについて見ていきましょう。
美容に効果的なツボとは
お顔の悩みに効果的なツボをご紹介します。指で押すときはじんわりと刺激しましょう。
攅竹(さんちく)
眉頭のへこんだ部分に位置しています。目の周りの血流を改善し、目尻のしわや目元のくすみに効果があります。指の腹で持ち上げるように刺激してもいいですし、クルクルと円を描くように押してもOKです。目の周りのシワに効果的で血行促進効果もあるため、クマや目元のくすみ改善も期待できます。
瞳子髎(どうしりょう)
目尻の横にあるくぼみの部分にあります。目尻の小じわに効果的です。
巨髎(こりょう)
黒目から真下におろした線と、小鼻の下縁との交差したところにあります。ほうれい線ケアにおすすめです。
翳風(えいふう)
耳のつけ根の後ろ、口を開けるとくぼむ部分です。顔全体のむくみ改善におすすめです。
ツボ押しと美容鍼の効果の違い
肩こり、腰痛、冷え、むくみなど、身体の不調で現れるツボを刺激してみると、良い効果があることがわかっています。それでは効果が期待できるツボの押し方について説明します。
まずツボとは、全身に張りめぐらされた神経が重なり合う場所のことを言い、神経を通して内臓をはじめとする全身のさまざまな部位とつながっています。このため身体に不調があると、特定のツボに痛みや硬さ、冷えや赤みとなって現れて、身体や心が疲れていることを知らせてくれるのです。
不調のサインに気づいたら、痛みのあるツボをゆっくりと押してみましょう。ツボに適切な刺激を与えると痛みが和らぎ、そのツボに関連する内臓にも作用して、体調改善に役立ちます。
また、ツボ押しをすると、使いすぎによりコリ固まった筋肉をピンポイントにほぐすことができます。逆に普段あまり使わないために衰え、たるみやすくなっている筋肉は、ツボ押しすることで血行を改善することができます。
また、ツボ押しは皮膚をこすらないので、摩擦によるシワの心配もありません。非常にメリットの多いツボ押しですが、たるみにはツボ押しだけでなく、やはり美容鍼がオススメです。
美容鍼は、深い真皮層や皮下組織、さらに下の筋肉までアプローチできます。美容鍼をすることにより顔のコリがほぐれ、血流やリンパの流れが良くなり、代謝が良くなります。そして、コラーゲンやエラスチンが活性化することにより、お肌にハリや弾力が出て、たるみの改善につながります。
また、鍼をすることで目には見えない微細な傷ができると、その傷を治すためにお肌の中で新しい細胞を作ろうと働きはじめ、肌リズムのサイクルが整い、キメも細かく整います。
美容鍼のリスクは
内出血
美容鍼を受ける方がまず気にされるのは「顔に内出血ができるかどうか」ではないでしょうか。特に人前に出るお仕事の方は、できれば避けたい肌トラブルですよね。結論から言うと、まれに内出血することがあります。
美容鍼における内出血の主な原因は、鍼が毛細血管を傷つけてしまうことで起こります。特に血流が悪く弾力性がない血管は、通常の血管より脆く傷つきやすいため、傷ついた血管から漏れた血液が体外へ出ず、皮下にとどまった内出血状態となります。
美容鍼による内出血は、ネガティブなイメージを持ってしまうかもしれません。しかし東洋医学の考えでは、内出血は体内で滞っていた血液が刺激されて外に排出されることで起こるものです。悪いものを身体の外に出そうとする自然な反応であり、良い傾向と捉えられているのだそう。もし内出血が起きても、長くても2~3週間ほどで自然に消えるため、心配はありません。
大事なイベント前などは担当の鍼灸師に相談してください。美容鍼でできる内出血は長くても2〜3週間ほどで自然と消えていくので、残ることはありません。
痛み
美容鍼を体験したことがない方は「顔に鍼を刺すなんて痛くないの?」と思ってしまうでしょうが、美容鍼は痛みを感じない方がほとんどです。なぜなら、美容鍼は直径0.1ミリから0.2ミリ程度と、髪の毛と同じぐらいの細さのものを使っています。
鍼が皮膚に刺入される瞬間は「チクッ」と蚊に刺されるようなもので、ほぼ痛みを感じることはありません。個人差はありますが、耐え難いほどの痛みを感じたという方はほとんどいないので、安心して施術をしてもらうことができるでしょう。
施術直後に起こる反応
鍼の施術により状態が回復される過程で、一時的に悪化するように見られる反応が出る可能性があります。例えばニキビの場合にもこの反応は現れ、施術直後にニキビのサイズがはっきりとわかる程度に大きくなったり、また翌日以降に肌に赤みが出たり、ニキビが目立つようになる、といった場合があります。
しかし、時間の経過とともに状態は落ち着いていきます。施術をすると全身の血流がよくなり新陳代謝が高まっていきますが、こうした変化に身体がついていけず、施術後にさまざまな不快状態となって起こりやすくなることが分かっています。
代表的な症状は痒み・発熱・発汗・眠気・倦怠感・頻尿・排便増量・生理出血の増量・吹き出物・ニキビ・状態憎悪・痛みの移動などが挙げられます。美容鍼の施術を受けた全ての方に反応が現れるわけではありません。
症状の種類や程度は、上記の他にも人によってさまざまです。また、症状の続く時間も施術後だいたい2~3日が多いと言われていますが、状態や体質によって軽く治まる場合も長引く場合もあります。通常は数日で落ち着きますが、症状が強く出る場合や長引く場合は医療機関を受診しましょう。
最後に
顔のツボを押すことによって肌に刺激が得られ、化粧のノリが良くなるなどの効果が期待できます。しかしながらセルフでは限界があるので、一度サロンでの美容鍼を体験してみてください。より効果が実感できる可能性があります。
また、なんとなく体調が優れない状況が続くケース、具合が悪いにも関わらずレントゲンやMRI検査で異常が見つからないケースなど、病気になりかけの状態を得意分野としている東洋医学は、ストレスの多い現代において再び注目が集まっています。つらい症状に悩まされている方は、ぜひ鍼治療を試してみてはいかがでしょうか。
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