鍼治療は冷え性にも効果がある?冷え性の原因や対策なども紹介
2019.04.08

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多くの女性が冷え性に悩んでいます。冬はもちろん、夏の冷房でも辛い冷え性。冷え性によって引き起こされる症状は、腰痛・頭痛・肩こり、生理痛や生理不順から不眠までさまざまです。
冷え性の主な原因は血の流れが悪くなることであり、食生活や適度な運動など改善方法はいろいろあります。そんな中、「鍼治療」も冷え性に効果があることをご存じでしょうか?冷え性は血流をよくすることで効果的にケアすることができます。
鍼治療なら一度の施術で高い効果が期待でき、治療後すぐにその効果を実感できます。普段の生活で改善が難しい方は鍼治療に頼ってみてはいかがでしょう。今回は冷え性と鍼について、そして冷え性の原因や対策についても解説していきます。
「冷え性だから」で放置していませんか?
周りの人は寒そうでもないのに、自分だけすぐに手足が冷えてしまって辛いという経験はありませんか?夏場、冷房の温度を上げてほしいと思うのに、男性上司は暑いといって逆に設定温度を下げ、仕方がないのでカーデガンを羽織ったり、ひざ掛けをしたりと夏なのに防寒対策が必要な女性はたくさんいます。
過度な冷房はもちろん健康にも良くありませんが、部屋の温度はそこまで冷えていないのに自分だけ手足が冷たくなって寒いと感じる方は「冷え性」と言えるでしょう。そこで、ハリッチでは、冷え性と自覚している方に向けて「冷え性対策」として実行していることはあるか、アンケートをとりました。
HARICCHIの独自アンケート:「冷え性対策として何か実行していることはありますか?」
・特に何もしていない 3%
・ヨガやストレッチなど、運動をしている 36%
・体を冷やさないように気を使っている 71%
・食生活に気を使っている 37%
(ハリッチ独自アンケート・2022年5月実施・217名・複数回答)
冷え性で特に何もしていない方は3%と非常に少なく、3割ほどの方は食生活に気を使っていたり、ヨガやストレッチなどの運動をしたりしています。最も多かったのが「身体を冷やさないように気を使っている」で、約7割の方が回答していました。
身体を冷やさないように気を使っている方のコメントには、「冷たい飲み物は控えて暖かいものを摂取する」「夏でもカーディガンを羽織る」「冷房の温度は高めに設定する」などでした。冷え性の方にとって身体を冷やさないのはとても大切なことです。ただ、根本の問題解決にはならないでしょう。
冷え性の原因を考えてみよう
冷え性を治すためには、まずは「どうして冷え性になってしまったのか」を知っておかなくてはなりません。冷え性の代表的な原因は血行不良です。血行不良になると、身体の隅々、特に手の先や足の先など末端への血液の流れが悪くなり、冷たく感じます。
それでは、血行不良になる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
締め付けの強い下着や靴
女性に多いのが、サイズの合っていない服や靴を着用していることです。補正下着や着圧レギンスなどで身体をしめつけてはいませんか?身体をしめつける衣服を常に着用していると、血管が圧迫されて血流は悪くなってしまいます。
また、ヒールのある靴、細みのデザインの靴なども足先をしめつけることで血行不良の原因になる場合があります。さらに、足首やお腹が露出してしまうような服装も、冷えの原因の一つです。冷え性を改善したいと思ったら、締め付けすぎず、身体を温められる服や靴を着用しましょう。
食生活の乱れ
上記のリストに一つでも心当たりのある方は要注意。食生活が乱れることも血行が悪くなる原因の一つです。日頃からバランスの良い食事、身体の温まる食事を心がけるだけでも冷え性は改善されます。
・ダイエットの為に過度な食事制限をしている
・日頃からお酒をたくさん飲む
・朝ごはんは食べない
・忙しくて、菓子パンやファストフードに頼りがち
・運動はしないが水分を一日2リットル以上とっている
上記のリストに一つでも心当たりのある方は要注意。食生活が乱れることも血行が悪くなる原因の一つです。日頃からバランスの良い食事、身体の温まる食事を心がけるだけでも冷え性は改善されます。
運動不足
筋肉は「天然カイロ」と呼ばれるほど、体温を保つために必要です。女性に冷え性が多いのは、筋肉量が男性に比べて女性の方が少ないから。筋肉を動かすことで身体は熱をつくり、蓄えています。運動不足で筋肉量が減ると熱を作り出すことができず、身体は冷えやすくなってしまうのです。
デスクワークの方は特に運動不足になりがちなので、筋トレや有酸素運動、ストレッチなど意識して日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ストレス
心身が常に緊張状態でリラックスできない状態が続くと、血管が収縮し冷えやすい体質になってしまいます。身体は疲れているのに眠りが浅く、集中力がなくなりイライラしてしまいます。
スマホやパソコンを常時使用する方は過度なストレスを感じていなくてもこの状態になっている場合があるので、電子機器から離れてリラックスできる時間を意識して作りましょう。
冷え性を放置しないで!--冷え性が引き起こす様々な症状--
冷え性で悩む多くの方は、末端冷え性から始まります。末端冷え性は手足の先だけが冷たくなる症状で、体調に深刻な影響は与えませんが、冷え性を放置するとさらに血行が悪くなり身体の内側も冷えてきます。
内臓が冷えると体温が下がり、また自分が冷えていることに気づかないまま深刻な冷えとなって体の不調も出てきます。下記のような症状がある方は冷え性を改善することで症状の緩和が期待できます。
肩こり・腰痛
冷え性の方で肩こりにも悩んでいる方は非常に多いです。オフィスでのデスクワークや長時間同じ姿勢でいると、筋肉が萎縮して血流が滞ります。また、冷え性の方は寒さで猫背になりがちなので、姿勢の悪さからも肩こりや腰痛を引き起こしやすくなります。
頭痛
頭痛にはさまざまな原因がありますが、冷え性も頭痛の原因の一つです。身体が冷えることで筋肉が収縮しておこる頭痛や、血行不良からの自律神経の乱れによる頭痛、冷え性による肩こりの悪化による頭痛など、冷えによる頭痛の原因も多岐にわたります。
生理痛・生理不順
冷え性を放置して身体の体温が低下し始めると、卵巣内の血の巡りが悪くなり、卵巣の働きが低下します。 卵巣の働きが低下するとホルモンバランスが乱れ、生理不順が起こりやすくなってしまうのです。 体の冷えと生理不順や生理痛は大きく関わっています。婦人科系の症状にもつながりかねないため、注意が必要です。
むくみ・肌荒れ
冷え性により血の巡りが悪くなると、水分を体の隅々まで行き渡らせることができなくなります。また、体温が下がることで基礎代謝が低下し汗をかきにくくなります。そうなると、排出できない水分が老廃物となり、むくみや肌荒れを起こす要因となってしまいます。
不眠
入眠の際には、皮膚表面から熱を放散して体の内部の温度を下げることで、体が休息状態になり眠気が生じます。布団に入っても身体が冷えていると、熱を放散するシステムがうまく働かず寝つきが悪くなります。
また、冷え性と血行不良からくるホルモンバランスの影響でイライラやストレスを感じていると、脳が覚醒して入眠できず、疲れているのに眠れないといった不眠の症状に悩まされることも。眠りが浅いと朝起きるのが辛くなり、ますます疲れが出やすくなります。
その他にも、冷え性の悪化によって内臓も冷やしてしまい、さまざまな体の不調を引き起こす恐れがあります。手足が冷たいなど自覚症状があるうちはいいのですが、身体の内側が冷えてしまう深刻な冷え性になると、体温は下がっているのに冷えを自覚しにくいため、注意が必要です。
鍼治療は冷え性に効果的?
冷え性を治すといってもこれまでの生活を一変することは難しいかもしれません。そこで、冷え性に効果のある選択肢の一つとして「鍼治療」をご紹介します。
冷え性を改善するための鍼灸治療
東洋医学の一つである鍼灸では、全身に存在するツボを鍼やお灸で刺激することで身体にさまざまな影響を与えます。冷え性の原因となる血行不良にも効果があり、全身の血の巡りをよくすることでたまった老廃物の排出を促します。体中に新しい血液が巡ることで肌サイクルも活発になります。
施術後すぐに効果を実感できる
鍼灸治療の魅力は、なんといってもその高い効果です。鍼で身体の内側を刺激することにより血行が促進されて体が内側からポカポカと暖かくなり、血色がよくなることで明るい印象になるでしょう。
血行が促進されることで、手足末端の冷えをケアしてくれるだけでなく、体の巡りを整えるため、内臓の働きも活発になります。凝り固まった筋肉がほぐれることで肩こりや腰痛が緩和されたり、老廃物が排出されることでむくみや肌荒れを整えてくれたり、さまざまな良い効果が期待できます。
ただし鍼治療での効果はずっと続くものではありません。冷え性の体質を改善するには、治療前に戻ってしまう前に定期的に通うことが必要です。通い続けることで内側から体質を改善することができます。
家庭でもできる冷え性対策
家庭でも、冷え性対策として簡単に取り組めることがあります。鍼治療の効果をさらに高めたり持続性をアップさせたりするためにも、日頃から行える冷え性対策をご紹介します。
お風呂にゆっくり浸かる
忙しいときはシャワーで済ませてしまうという方もいると思いますが、血行改善のためにはしっかりお風呂に浸かった方が効果的です。38〜40度のぬるめのお湯に浸かってゆっくりしましょう。ぬるめのお湯は副交感神経を優位にするので、血管が拡張して血行がよくなります。
また体がリラックスするので安眠をサポートしてくれる効果もあります。逆に42度以上の熱いお湯だと、交感神経が優位になって血管が収縮してしまうので注意しましょう。
※副交感神経と交感神経
副交感神経は、リラックスしている時に活発に機能する神経です。血管を拡張したり、筋肉を緩めるなどの働きがあり、 女性の場合は40歳以降で副交感神経の働きが低下してきます。
交感神経は、興奮や緊張をしているとき、イライラするときに活発に機能し、身体の各部を活性化しエネルギーを放出します。副交感神経と交感神経のバランスが崩れると、自律神経の乱れが起こりさまざまな症状が出てくるようになります。
栄養のある食生活への改善
冷えを改善するためには、バランスの良い食事を適度にとることが大切です。末端の冷え性は特にやせ型の女性に多いと言われていますが、これは食事の量が足りず、体を温めるのに必要な熱量を作り出せていないことが原因です。逆に、食べ過ぎると消化するために血液を胃腸に集めなければならず、末端まで血液を供給できなくなります。
また、体を温めてくれる食べ物を積極的に摂るのもおすすめです。温かいスープや飲み物、体を温める効果のあるニンジン、レンコンなどの根菜類や生姜などを摂るのもよいでしょう。発酵食品に入っている酵素には、代謝を高め、体を温める効果がありますので、根菜類をたっぷり入れたお味噌汁は冷え性対策にとてもいいです。
また、白米や小麦は身体を冷やしてしまう効果があるので、主食は雑穀米がおすすめです。
運動の習慣をつくり筋力をつける
体に必要な熱は主に全身の筋肉を使って作られます。また筋肉には血液を送り出す働きもあるので、運動不足で筋肉量の少ない状態では、体の末端まで血液が行き届きにくくなります。
日々の生活の中に適度な運動を取り入れて筋力をつけましょう。運動による冷えの改善は続けてこそ効果が得られるものなので、無理なく継続できるものを選ぶのがポイントです。1駅分歩いてみたり、なるべくエスカレーターではなく階段を使ったり、できることから取り入れてみましょう。
自宅でできるツボ押しマッサージ
鍼灸治療では、鍼やお灸を使ってツボを刺激しますが、自宅でも、セルフでツボ押しマッサージをすることである程度の効果が期待できます。ここでは冷え性に効果的なツボをご紹介します。ご自宅でのケアに取り入れてみてください。
関元(かんげん)
おへそから指4本分下に位置するツボ。関元を刺激することで、下腹部がじんわりと温まるのが感じられます。
指間穴(しかんけつ)
人差し指から小指までの指の股(手の甲側)にあります。反対の手の指でつまんだり押したり、指先に向かってひっぱってみましょう。徐々に手先が温まってきます。
合谷(ごうこく)
親指と人差し指の関節近く、やや人差し指側のくぼんだ部分です。冷え性のほか、肩こりやストレスなどの効果もあり、万能のツボともいわれます。
三陰交(さんいんこう)
足首の内側、内くるぶしの突起部から、指4本分(約5センチ)上にあります。少し押してみると、ズンと鈍く痛む感覚がします。下半身の冷えに効果があり、親指でゆっくりと5秒ほど押して温めます。
八風(はっぷう)
足先の冷えには、足の人差し指から小指まで、各指の股部分にある八風を刺激するのがおすすめ。指でつまむことで血行を促進する効果が期待できます。
【まとめ】冷え性は放っておかないで。鍼治療も「冷え性」改善の選択肢の一つです。
冷え性で悩む多くの方は、冷え性であることをそこまで深刻に考えていません。しかし、放置したまま年齢を重ねると、手や足の先など表面だけだった冷えが体の内部にまで浸透します。内臓を冷やすことでさまざまな症状に発展する恐れがあるため、放置せずできるところから冷え性対策をはじめましょう。
自力で冷え性を改善することにストレスや辛さを感じる方は、鍼治療を受けてみることをおすすめします。多くの方が、冷え性を改善することで体調が良くなり、これまでの辛さから解放されることを願っております。
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