高血圧の方にもオススメ!血圧を管理してくれる鍼灸治療
2019.04.09

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日常診療ではもっとも患者数が多く、現代病と言っても過言ではない高血圧。実は、血圧の管理に鍼灸治療という選択肢があることをご存知ですか?ここでは高血圧の方にも知っていてほしい、鍼灸治療による血圧管理について解説します。
きちんと血圧を管理しよう
初期の高血圧では自覚症状がほとんどないため、血圧が高くても多くの方は気付きません。健康診断を受けて初めて、高血圧を指摘されるケースも多いです。しかし血圧が高い状態に気付かず放置してしまうと、ある日突然心筋梗塞や脳卒中などで倒れてしまうこともあり、非常に危険です。高血圧そのもので死に至ることはありませんが、高血圧が原因で起こる様々な合併症によって、寿命を縮めてしまうのです。血圧の変化は自分では気づかないからこそ、正常な血圧を維持できるように普段から食事に気を付けたり、高血圧を指摘された場合にはきちんと治療を受けたりすることが重要です。
高血圧に要注意!
高血圧とはこんな状態
心臓はポンプのように膨らんだり収縮したりして、全身に血液を送り出しています。血圧とは、文字通り血管内で血液が示す圧力のこと。心臓が収縮して血液を送り出すときに血圧は上がり、心臓が膨らんでいるときに血圧は下がります。血圧の高さは心臓が血液を送り出す力と、血管の抵抗力で決まります。
運動したときのようにたくさんの血液を送り出すときや、血管の内腔が狭くなるなどして血管の抵抗力が強くなったりすると、血圧が上がります。運動直後のような一時的な血圧の上昇は問題ありませんが、安静な状態での血圧が正常値よりも慢性的に高い状態のことを高血圧と言います。
高血圧になる因子は様々ありますが、食塩・脂肪の摂り過ぎやアルコール、肥満、運動不足などが挙げられます。高血圧になると常に血管に負担がかかるため、血管の内壁が傷ついたり血管が硬くなったりして、動脈硬化を起こしやすくなります。
高血圧にはこんなリスクが!
高血圧を放置していると、負担のかかった血管は障害を受け、障害部位から血中のコレステロールなどが蓄積しやすくなり、次第に狭くなります。するとスムーズに流れていた血液が流れにくくなったり、血液がドロドロになって血栓という血の塊ができたりします。これがいわゆる動脈硬化です。その結果、血栓によって血管が詰まったり、血管が破れたりして心筋梗塞や脳卒中を引き起こします。特に脳卒中は高血圧によって最もリスクが上昇する疾患で、一命を取り留めても、運動障害や言語障害が残ってしまうことも多いです。また、血圧が高いと腎臓にも負担がかかるので、腎不全になって人工透析が必要になるケースもあります。高血圧は自覚症状がないにも関わらず、時には死に至る重大な疾患の原因にもなるため、サイレントキラー(静かなる殺人者)とも呼ばれます。取り返しのつかない状態になる前に、しっかりと血圧の管理をすることが大切なのです。
血圧管理には鍼灸治療がオススメ!
血圧管理の方法としては、食事管理や適度な運動習慣、薬物療法などが挙げられますが、実は鍼灸治療も効果を発揮します。実際に、血圧正常者と高血圧患者に週1回の鍼灸治療を2か月間続けたところ、高血圧患者のみ血圧が下がったという報告もあります。このように、鍼灸治療は正常値から逸脱した血圧の患者においてのみ作用すると考えられており、その効果は世界保健機構(WHO)にも認められているのです。WHOは鍼灸治療が高血圧・低血圧症に有効であると発表しています。鍼灸は副作用が少なく、ストレス緩和やコリをほぐしてくれる効果もあるので、高血圧の方は食事管理や運動習慣などと合わせて、ぜひ利用してみてください。
最後に
放っておくと恐ろしい高血圧ですが、しっかり管理すれば健康な毎日を送ることができます。ここではWHOにも認められた、高血圧への鍼灸治療の効果について解説しました。「血圧がちょっと高め」と指摘された方は、ぜひ治療の一環に鍼灸を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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