偏頭痛は鍼で予防ができる?原因と対処法を徹底解説
2019.04.09

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長く激しい痛みに襲われる偏頭痛。動くと悪化することも多く、ひどい場合は吐き気を感じるほど痛むこともあります。ここでは偏頭痛が起こりやすい原因と、その対処法について解説します。
偏頭痛とは
偏頭痛のメカニズムははっきりとは解明されていませんが、代表的な説では脳内の三叉(さんさ)神経への刺激が原因とされています。三叉神経は脳の中で最も大きい神経で、顔面の周囲に張り巡らされています。この三叉神経が何らかの原因で刺激されると、脳内の血管が拡張して炎症性の物質が放出され、痛みを引き起こすと考えられています。
首や肩の凝りなどが原因で起こる「緊張型頭痛」との大きな違いはその症状。緊張型頭痛は頭全体が締め付けられるような重い痛みであるのに対し、偏頭痛ではこめかみから目の辺りにかけて「ズキズキ」「ガンガン」と脈を打つような発作性の痛みが走るのが特徴です。頭の片側が痛むこともあれば、両側に痛みを感じることもあります。いったん痛み出すと4時間~3日間は痛みが続き、ひどい場合は吐き気を伴うこともあります。
偏頭痛の原因は?
ストレス
ストレスは、血管の収縮・拡張をコントロールするセロトニンという物質を過剰に分泌させます。一時的にセロトニンが過剰に分泌されることで血管が収縮すると、その反動で収縮していた血管が急に拡張し、それが三叉神経への刺激となって偏頭痛を起こすと考えられています。ストレスを感じているときに起こる人もいますが、仕事のない週末など、ストレスから解放されたときに偏頭痛が起こる人が多いです。
気候・気圧
偏頭痛と気候は密接に関係しています。低気圧のときに偏頭痛の発作が多いという傾向が見られますし、春から秋にかけての日差しの強いシーズンには偏頭痛が多くなるという報告もあります。
食べ物
食べ物の中にも、血管を拡張させ頭痛を誘発する物があることが研究でわかっています。チョコレート、チーズ、ハム、赤ワインなどの食品は、摂りすぎると偏頭痛を誘発する可能性があるので注意しましょう。
偏頭痛になったら…
暗い場所で静かに過ごす
偏頭痛は、頭を動かすと痛みが増すという傾向があります。もし偏頭痛の発作が起きた場合は、できるだけ頭を動かさないようにして、安静にしましょう。また、光や騒音でも痛みが増してしまうので、暗い場所で静かに横になると早めに落ち着きます。
ツボ押しマッサージも効果的
痛みを軽減させるには、頭にあるツボを押してマッサージすることも有効です。頭のツボは実際に痛みがある場所と近いので、ここを刺激することでダイレクトに効果が現れます。頭以外にも、手や足にも偏頭痛に効くツボがあります。
痛み止め薬の飲み過ぎは注意
痛みがあるときにまずは市販の頭痛薬を飲む方も多いと思いますが、そもそも偏頭痛の薬は市販の頭痛薬とは作用が異なります。市販の頭痛薬でも一時的には痛みが和らぐかもしれませんが、長期的な治療に適したものではありません。偏頭痛の薬は医療用で、病院で医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。偏頭痛の疑いがある場合は、まず頭痛外来などの医療機関を受診しましょう。偏頭痛の薬は、1日の服用量や続けて飲むときに空けなければならない時間が決まっているので、医師または薬剤師の指示に従ってください。
偏頭痛に効くツボは?
百会(ひゃくえ)
頭のてっぺん、ややくぼんだところにあるツボです。呼吸のリズムに合わせて、心地よいと案じる強さで3分間ほど押すと痛みが和らいできます。
風池(ふうち)
うなじの真ん中にあるくぼみと、耳の後ろの出っ張っている骨の下端の中心にあります。親指を風池に当て、ゆっくりと頭を後ろに倒すとツボに親指がぐっと入っていきます。
太陽(たいよう)
目尻から指2本分外側の、こめかみよりやや前のくぼみです。ゆっくり息を吐きながら数秒間押すことを繰り返します。
攅竹(さんちく)
攅竹は眉間にあるツボで、偏頭痛で目に痛みがあるときに効果的です。つまむようにゆっくり刺激しましょう。
合谷(ごうこく)
親指と人さし指の骨がまじわったところから、やや人さし指よりのへこんでいる部分です。ここを刺激することで体全体の痛みを和らげることができます。3秒ほど力をかけては放す、ということを数分間繰り返してください。
列缺(れっけつ)
手の親指側、手首の付け根から指2本分下でちょうど脈動を感じる場所です。ズキズキした痛みがあるときに効果的です。
偏頭痛を予防するために
規則正しい生活を
日常のふとしたことがきっかけで偏頭痛の発作は誘発されます。ただ、何が引き金になりやすいかは人それぞれ違います。その引き金を把握し、それを避けることで偏頭痛は予防することができます。例えば、日差しが大きく関係する場合は日傘やサングラスで遮光する、食生活が関係する場合は和食中心を心がけチーズやチョコレートの過剰摂取に気をつける、といったことなどです。ほんの少しの心がけで偏頭痛は予防できますので、ぜひ試してみてください。
鍼は効果があるのか?
偏頭痛に対する鍼の効果については、今現在も多くの研究が進められており、様々な研究結果から鍼治療が有効なのではないか?と言われています。
偏頭痛は血管が拡張し過ぎることで起こるため、鍼によって頭の血流を良くしすぎてしまうと、むしろ悪化させてしまう場合もあるのですが、ツボをうまく刺激することで、拡張した血管を元に戻し、ズキズキとした痛みを軽減させることもできるのです。偏頭痛の場合は十分な注意を払いつつ、ツボを刺激するように施術を行います。
最後に
偏頭痛は日常のちょっとした心がけ予防することができます。自分の生活習慣を把握し、偏頭痛と上手く付き合っていきましょう。偏頭痛の予防には鍼治療も効果的なので、興味のある方はぜひ一度鍼灸師にご相談ください。
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