耳鳴りに効果的なツボはある?原因や対策法も紹介
2019.04.16

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耳鳴りがずっと続くと不快感や苦痛をともない、ストレスを感じてしまいます。慢性的な耳鳴りはまずは耳鼻科の受診が第一ですが、耳鼻科の治療でよくならないことも。原因不明と言われた場合は、ツボ押しなどのセルフケアや鍼治療も症状緩和のための選択肢のひとつです。
慢性的な耳鳴りや突発的な耳鳴りで悩んでいる方はどれくらいいるのか、調査を行いました。それを踏まえ、ここでは耳鳴りの症状と原因、その治療法について解説します。
耳鳴りとは
耳鳴りの症状にはどのようなものがあるのでしょうか。ここではその症状と症状がひどい場合の対処法についても詳しく解説して参ります。
耳鳴りの症状
耳鳴りとは、実際には音がしていないにもかかわらず、何か聞こえるように感じる現象を言い、耳鳴(じめい)とも言われています。
耳鳴りには、大きく分けて2つあり、本人にしかわからない「自覚的耳鳴り」と、聴診器をつければ他人にも聞こえる「他覚的耳鳴り」がありますが、前者が圧倒的に多いです。
耳鳴りで聞こえる音はジーンと言うセミの鳴き声のような音やキーンと言う金属音、ピーと言う電子音など。
音の大きさや鳴る頻度は個人差があります。軽症では小さな音がストレスや疲れがたまった時に現れますが、重症になると一日中耳鳴りが続く場合もあるようです。
耳鳴りには、肩こり、めまいや立ちくらみ、頭痛などの症状が伴うこともあります。耳鳴りがしていることを他人にはなかなか理解してもらえないので、精神的に辛いこともあるでしょう。
症状がひどい時は
「耳鳴診療ガイドライン 2019年版」によると、耳鳴りは「明らかな対外音源がないにもかかわらず感じる異常な音感覚」と定義されています。
一般的には、日常生活の中で慢性的な耳鳴りを感じる人は50歳以下の全成人で15.1〜29.8%であり、70歳頃までは加齢とともにその割合が高くなっていく傾向にあります。
(参考:耳鳴診療ガイドライン 2019年版.一般社団法人日本聴覚医学会.2019/05/10)
数分以内におさまる一過性のものであれば心配いりませんが、慢性化している耳鳴りは病気が原因である場合もあるので注意が必要です。
耳鳴りを繰り返したり、耳鳴りが長時間続いたりする場合は、我慢せずに耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。耳鳴りにめまいや吐き気を伴うときは「メニエール病」などの疾患が隠れている場合があり注意が必要です。
「メニエール病」は、回転性のめまいが10分間~数時間続き、何度も繰り返しおこります。ほとんどの耳鳴りはそれほど心配のいらないものです。
しかしながら、放置し続けるとそれがストレスになって悪化したり、完治が困難になる場合もあります。また、腫瘍など重大な病気が隠れている場合もあるので、耳鳴りが気になったら必ず医療機関を受診しましょう。
耳鳴りの原因は様々
耳は外耳、中耳、内耳からなり、中でも耳の一番奥にある内耳は、音を脳に伝える重要な役割を果たしています。耳鳴りの原因は耳以外に、高血圧や脳の病気、ストレスや老化など多岐に渡り、一概に「これ」とは言えないものです。
ですが原因となるものについてはいくつか指摘されており、ここではその原因を詳しく説明していきます。
騒音
大きな音を聞くと一時的に耳鳴りや難聴の症状が現れますが、これが治らなくなる場合があるのです。工場や建設現場、ライブハウス、パチンコ店のような音が大きい環境で働いている方が耳鳴りに悩まされるようになることもあります。
また、日常的にヘッドホンをつけ大音量で音楽を聴く方も注意してください。これらは長時間騒音にさらされることや爆発音のような大きな音を聞くことで、内耳にある感覚細胞が傷つけられることが原因です。
自律神経の乱れ
耳の血行不良や筋肉のけいれんが原因になっているともいわれています。これに引き起こされた耳鳴りであれば、自律神経失調症と関係がある場合が多いです。
わたしたちの体は自律神経によって、健康な状態が保たれています。
自律神経は緊張しているときに優位になる「交感神経」と、リラックスしているときに優位になる「副交感神経」からなり、両者のバランスで臓器の働きや血管の収縮・拡張がコントロールされているのです。
しかし、ストレス、睡眠不足、疲労などで自律神経のバランスが崩れると、脳への血流量の異常が起こり、その結果耳鳴りやめまい、こり、頭痛などが現れます。
加齢
加齢も原因のひとつです。加齢とともに耳は遠くなりますが、それと関連して耳鳴りが引き起こされることがあります。
内耳の蝸牛(かぎゅう)にある有毛細胞は、20代後半から機能が低下し始め、年を重ねるにつれ壊れていくのです。年齢に個人差はありますが、徐々に高い音(きーん、しーん)が聞こえにくくなっていきます。
すると脳は聞こえなくなってきた音を聞こうとして、脳の聞こえに関する電気信号の活動を強くします。この電気信号活動の増強が耳鳴りです。
耳鳴りの治療法
耳鳴りの症状によっては早急に治療が必要な場合がありますので、身体のどの部分が原因で耳鳴りを引き起こしているのかを調べて、適切な治療を受けることが大切です。
まずは耳鼻科・耳鼻咽喉科へ
先の項でも述べた通り、慢性的な耳鳴りやめまいをともなう耳鳴りを感じたら、まずは耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診しましょう。
耳鼻科で診察・検査を受けてそのまま治療を受けるか、場合によっては適切な診療科を紹介してもらえます。また、専門医から話を聞くと安心感が得られるでしょう。
耳鳴りを完全になくすことは難しい場合もありますが、気にならないようにして支障なく日常生活を送るための方法はあります。
病院ではストレスとの付き合い方の指導、内耳の血流や細胞の働きをよくする薬の投薬など複数の側面からアプローチし、症状を緩和する方法について指導があるでしょう。
また、耳鳴りより少し大きな音を聞いて耳鳴りを意識させないようにする方法もあります。耳鳴りの治療は、耳鳴りを気にならないようにコントロールすることが重要です。
鍼治療も選択肢のひとつ
耳鼻科を受診しても原因不明と言われたり、治療をした後も耳鳴りが残ったりする場合は、鍼を試してみるといいでしょう。
耳鳴りをゼロにすることは難しいですが、鍼治療で耳鳴りの症状を緩和させることはできます。鍼は東洋医学の考え方に基づく治療法で、私たちの身近に存在している西洋医学とは全く異なるアプローチ方法で体に向き合います。
ウイルスによって発症する病気や癌のように手術で治療する病気は西洋医学の得意分野ですが、検査で異常が出てこない自律神経の乱れによる不調や原因不明の病に関しては、東洋医学が得意としている領域です。
耳鳴りや自律神経の乱れに対する鍼の効果は世界中で確認されており、WHO(世界保健機構)からも認められています。鍼は、人が本来持っている治す力を引き出す療法です。
耳鳴りには筋肉の緊張やコリと、自律神経の関与が深く関わっています。全身に存在するツボを刺激することで血流をよくし、免疫を活性化させることができます。
自律神経の乱れからくるイライラや不眠、筋肉のコリなど、様々な症状の改善も得意です。耳鳴りの治療では頭部や肩、首回りの血流を良くすることで、耳鳴りの大きさを軽減したり、耳鳴りが気にならなくなるようにストレスを緩和してくれます。
HARICCHIでは耳鳴りについて80人を対象に独自のアンケートを行いました。
Q1:日常的に耳鳴りを感じることはありますか?
(2022年6月実施)
約半数の人が日常的に耳鳴りを感じていることがわかりました。
Q2:耳鳴りを感じた場合、どのように対処していますか?
安静にしている人が42%という結果が出ています。おさまるのを待つ、特に何もしない人を合わせると約半数が、積極的に対処していないようです。
それでは耳鳴りがした場合、有効とされているツボについて解説します。
耳鳴りに効果的なツボ
耳鳴りのツボとは
■耳門(じもん)
耳の穴の前にある突起の近くで、口を大きく開けたときにできるくぼみが耳門の場所です。耳鳴りや難聴など、耳のあらゆる疾患に効く代表的なツボ。
■聴宮(ちょうきゅう)
耳の穴の前方、やわらかい小さな突起(耳珠)の前あたり、口を開けたときにくぼみができるところ。耳門の少し下に位置します。耳鳴りの特効薬と呼ばれるほど、効果的なツボです。
■翳風(えいふう)
耳たぶの後ろにある骨のでっぱりと、耳たぶの間にあるくぼみです。ここを刺激することで、内耳の機能を活発にする効果があります。
■完骨(かんこつ)
耳たぶの後ろにある骨のでっぱりのすぐ下に位置しています。耳鳴りのほか、めまいや頭痛、肩こりなどにも有効です。
■中渚(ちゅうしょ)
手の甲にあり、小指と薬指の関節にできるくぼみにあります。特に回転するタイプのめまいに有効です。
■太谿(たいけい)
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにあるツボ。一見耳鳴りとは関係なさそうですが、このツボは血液を心臓に戻していく血行促進の効果があります。
体全体の血行がよくなるので、自律神経のバランスが整い、耳鳴りにも効果があります。
効果的なツボ押しの方法
ツボを押すときは、指の腹をツボの位置に当て、「痛いけれど気持ちいい」と感じる程度の強さで、ゆっくりとしたテンポで垂直に押します。そして、ゆっくりと力を抜きます。
1つのツボに対して、5〜10秒、3〜5セットが目安とし1日1〜3回行うと効果的です。回数を多く行うことよりも、毎日続けることを心がけましょう。
その他のセルフケア
それ以外のセルフケアとして、耳鳴りを和らげる音楽も注目されています。耳鳴りの原因が、「自律神経の乱れ」から起こることが多いと指摘されていることから、リラックス効果のある音や音楽ばかりを集めたCDなどが販売されているのです。
自律神経を整える「1/fのゆらぎ」を持った音として小川のせせらぎの音や、小鳥のさえずりなどが知られています。
最後に
今回のアンケートより、耳鳴りに悩んでいる方が多くいるにも関わらず積極的に対処している方が少ないことが見えてきました。まずはセルフケアとしてのツボ押しからはじめてみるのもおすすめです。
また完治させることは難しい耳鳴りですが、上手に付き合うことで気にならないようにコントロールすることはできます。耳鼻科での治療でもよくならない、原因不明と言われた場合にはツボ押しや鍼治療を試してみてはいかがでしょうか。
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