足のむくみを改善するには?原因やツボ、ケアの方法を紹介
2022.08.30

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夕方になるとふくらはぎがパンパンに張る、足が重く感じる、靴がきつくなる、などのお悩みを抱える方もいらっしゃると思います。このようなむくみは、運動不足や冷え、ストレス、生活習慣が原因であることが多いです。
それでは、むくみにどのような対処をおこなえばよいのでしょうか。ここでは、むくみの原因や足のツボ押しなどのケアについて、お伝えします。
日本人の1/3が足のむくみで悩んでいる
「2019年 国民生活基礎調査」によると、日本人全体の32.7%の方が、女性の46.9%が足のむくみやだるさに悩んでいるとの回答がありました。
足のむくみを感じやすい人の特徴
以下の特徴をお持ちの方がむくみを感じやすいと言われています。
・デスクワークの方
・立ち仕事の方
・運動不足の方
・冷房が強い部屋で過ごすことが多い方
・冷たい飲み物がお好きな方
・お酒を多く飲む方
・湯船に浸からない方
・塩分を多く摂取する方
足がむくむメカニズム
運動不足や冷えによって、むくみを発症するメカニズムについて説明していきます。
夕方になるとふくらはぎがパンパンにむくむことはありませんか。足は身体の最下部にあり、心臓から離れた場所にあるため血流が滞りやすく、むくみやすい部位です。このような下半身のむくみは男性よりも女性に多い傾向が見られます。その理由として女性の方が、下半身の筋肉が弱いということが挙げられます。
筋肉は動くことでポンプ役となり、リンパ液の流れを作っています。しかし、動かないでいるとポンプの働きをしないためリンパ液が滞り、だんだんと脚がむくんできます。さらに、脚が冷えると血液も巡りにくくなるので、いっそうむくみやすくなっていくのです。また、女性の場合は生理前に女性ホルモンのひとつである黄体ホルモンの分泌が多くなり、体の余計な水分をため込みやすくなるため、むくみにつながります。
ツボ押し・マッサージとは
足裏・足首・ふくらはぎが特にむくみやすいので、この3箇所を中心にツボ押しを行いましょう。詳しく説明していきます。
ツボ押し・マッサージがおすすめの理由
生活習慣や体質的な原因で足がむくんでいる場合は、ツボを刺激することで血流がよくなり、停滞した水分を流すことができます。
併せて、ふくらはぎを気持ちがよい程度の強さで揉みほぐすとよいでしょう。膝の裏を揉んだり、足首を回したりするのも緩和する効果が期待可能です。
ツボの押し方
ツボを押すときは、力を入れやすい親指を使います。親指では押しにくい場合は、必要に応じて人差し指などでサポートしましょう。ツボの位置を把握したら、痛気持ちいいと感じるところまでゆっくりと力をかけていきます。その状態で5~10秒ほどキープ。これを数回行えば、むくみのケアにつながります。
足のむくみ解消のためのツボ8選
豊隆(ほうりゅう)
豊隆はすねの骨の外側で、ひざと足首の中間で外側の筋肉が1番盛り上がっているところにあります。親指をツボに当てて、お肌に沈み込ませるような感じで、ゆっくりと垂直に押しましょう。
足でもっともむくみが気になるふくらはぎに効果的で、刺激すると余分な水分の排出をスムーズにしてくれます。
足三里(あしさんり)
ふくらはぎにあるツボです。膝の外側、皿の下のくぼみから指4本分下に位置しています。両手の親指を重ねてツボを押してみてください。
足のむくみや冷え、溜まった疲れを和らげる効果、消化器官の不調を解消する効果、身体の中に溜まっている老廃物の排出を促進する効果があります。
陽陵泉(ようりょうせん)
むこうずねの外側の骨上にあり、足三里に比べるとやや心臓寄りに位置します。足を曲げた状態で両手の親指でツボを探し当てて、軽く押してみてください。筋会穴(きんえけつ)とも呼ばれ、筋肉のひきつりに対して効果的です。
内臓を含む全身の筋肉を和らげ、むくみのケアをサポートしてくれます。
太衝(たいしょう)
足の親指と人差し指の間を足首に向かって押し上げていくと、骨にあたって止まる場所にあるくぼみです。痛すぎない程度の力加減で、ゆっくりと垂直に押してみましょう。中には「鋭い痛み」を感じる方もいるため、痛すぎない力加減で行ってください。
太衝には血行を促進する効果があるので、太衝を刺激することにより、足のむくみをケアしてくれます。
湧泉(ゆうせん)
足の裏側、中指の先端と踵を結ぶ線の、中指側から1/3ほどのところにあります。土踏まずの真ん中に人差し指を当て、中指の先端に向かって滑らせたときに、指が止まる凹みです。両手の親指を重ねて気持ちよさを感じられる範囲の強さでツボを押してみてください。青竹やゴルフボールをツボに当てて踏み込む方法でも刺激できます。
血行の改善や水分代謝を促しむくみや冷え、倦怠感のケアに効果が期待できます。疲労回復や不眠対策にも効果が期待できるといわれています。
承筋(しょうきん)
ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)がもっとも高く盛り上がっている位置にあるツボです。承筋を刺激することでふくらはぎのポンプ機能に働きかけ、血行の悪さを改善する効果が期待できます。
下半身のだるさ、背中や腰周りの痛みを緩和する効果も期待できるでしょう。両手でふくらはぎを包みこむように、承筋に親指を重ねて3~5秒かけて押してあげましょう。
承山(しょうざん)
つま先立ちをしたときにふくらはぎにできるくぼみで、承筋の下側に承山があります。承筋と同じように血行不良を整える効果が期待できます。
両手でふくらはぎを包むようにして、両手の親指を重ねて、承山を3~5秒かけてゆっくり押してみてください。
三陰交(さんいんこう)
足首の内側、内くるぶしの一番高いところから、指4本分上の位置にあります。血行の改善やむくみ、冷えの解消、胃腸機能の改善に効果が期待されます。また、生理痛や生理不順など、女性特有の症状にも効果が期待できます。
三陰交の位置を把握したら、手の親指で3〜5秒くらいかけてゆっくり押してみてください。力加減は、自分が気持ち良いと感じるくらいがベストです。
その他の足のむくみ対処法5選
ツボ押し以外にも足のむくみをケアする方法もありますので、ここではそのいくつかをご紹介します。ツボ押しと併せて行うとより効果が期待できます。
入浴
湯船に入らず、シャワーで済ませてしまう場合は、シャワーが当たっている部分のみ温まるため、血行がうまく循環せずに、むくみやすくなってしまいます。入浴は一日の疲れをとるリラックス効果もあるため、お風呂の時間を確保するように心がけましょう。
入浴の際、最も血行が良くなる温度は38℃から40℃のぬるめの設定で、時間は15分から20分とされています。お風呂の中での足のマッサージも効果的です。ただし、42度以上の熱いお湯ですと、血管が収縮してかえって逆効果になるので注意しましょう。
運動
足のむくみの場合、日常生活で意識的に足を動かすことが大事です。定期的に運動する習慣を身に付けたり、普段から階段を使かったり、できるだけ早足で歩いたりしてみるとおすすめです。
また、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動もおすすめです。ウォーキングは姿勢を正してまっすぐ前を見て、軽く腕を振って行うと効果的です。ランニングは息切れしない程度でゆっくり走ることを心がけてください。
特に女性は男性に比べて筋肉が少なく、血行が悪くなりやすい傾向があります。良い汗をかいて、水分をたくさん摂取して新陳代謝を促しましょう。
食事
むくみを解消するための極端なダイエットはおすすめしません。自律神経のバランスが崩れてしまい、逆にむくみやすい体質になります。
また、塩分の摂りすぎにも注意しましょう。
体内の塩分濃度が上がると、その塩分濃度を薄めようとして、水分の排出を控え、体内に水分を溜め込むような仕組みになっています。その結果、血管内の水分量が増え、血圧が上がることで水分や老廃物は行き場を失ってしまいます。その結果、むくみとなって現れてきます。
塩分の摂りすぎが原因で足がむくんでいる場合は、カリウムの摂取が効果的です。カリウムは体内の余分な塩分に作用し、尿とともに排泄される働きを助けます。カリウム以外にも、ビタミン類やミネラル、たんぱく質が不足すると血行や代謝が悪くなりやすく、むくみにつながります。
カリウムが多く含まれる食品は、果実類ならバナナやメロン、アボカドなど、野菜ならばほうれん草や小松菜、三つ葉などが代表的です。他にも、大豆や落花生などの豆類、干し貝柱や鰹節、イモ類、魚類、海藻類などもカリウムが多く含まれていますので積極的に摂取しましょう。ただし、腎臓が悪い方はカリウムを摂り過ぎると不整脈を起こすことがあるので注意が必要です。
足のむくみをケアするグッズ
足のむくみをケアしてくれるグッズもいろいろ市販されていますので、ツボ押しと合わせて利用するとより効果を感じやすくなります。
おすすめのグッズとしては以下のものがあります。
・タイツ/靴下/ひざ掛け/カイロ
足のむくみの原因のひとつが足の冷えです。寒さや冷房で足元が冷えると筋肉が硬くなるため、下半身のむくみにつながることがあります。体を冷やさないようにするアイテムを使いましょう。
・ストレッチローラー
家でテレビを見ながら、本を読みながら、1日数分ごろごろするだけで手軽にむくみをとることができるローラーもおすすめです。最初は痛みを感じるかもしれませんが、3日くらい続けると痛みがなくなり、だんだん心地よくなってきます。
鍼
足のむくみを緩和するためのツボを紹介しましたが、ご自身でのケアが大変な場合は、プロの手を利用するのもおすすめです。
東洋医学のひとつである鍼は、ツボを鍼で刺激することで血行を促進させ、免疫力を高めてくれるというもので、足のむくみにも効果を得られる可能性はあります。
鍼には副交感神経を優位にし、自律神経の乱れを整えてくれます。むくみが解消されるだけでなく、不眠やイライラなど、自律神経の乱れによるさまざまな不調にも効果が期待できます。
最後に
以上、足のむくみを和らげる方法をお伝えしてきましたが、日常生活でちょっとしたことに気をつけるだけでむくみをケアすることができます。ツボ押しも併せて行うことで効果が高まる可能性が高いので、試してみてください。
むくみや疲れは溜め込んでしまうと、解消するのが大変になってしまいがちです。仕事中の休憩時間などを使って、こまめにケアしていきましょう。足のむくみをすっきりさせて、快適な毎日をお過ごしください。
また、セルフケアを行ったにもかかわらず、足のむくみが何日も続く場合、何らかの疾患を疑ったほうがよいかもしれません。その場合は、一刻も早く医師の診察を受けましょう。
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